ごあいさつ

ASEAN University Network(AUN) 京都大学は、ASEAN University Network(AUN)と連携して、平成24年度から大学の世界展開力強化事業(ASEAN諸国等との大学間交流形成支援)、『「人間の安全保障」開発を目指した日アセアン双方向人材育成プログラムの構築』を全学的な取り組みとして開始しました。本プログラムは、平成21年に本学とAUNとの間で締結した包括的学術交流協定を基に、大学間コンソーシアム(KU-AUN コンソーシアム)を形成し、地球規模で発生する深刻かつ多様な課題の解決に貢献し、国境を越え地域と共鳴することのできる、実行型国際人を育成することを目的としております。

資源の枯渇や地球温暖化現在、資源の枯渇や地球温暖化等の地球規模の課題に対して、実効性のある解決策を確立するための研究や開発が重要となっています。このような研究、開発を進めるためには、従来の学術領域を有機的に統合して、「人間の安全保障」開発として総合的に取り扱い、国家の枠組みを超えて、その理念の普及や教育を推進する必要があります。特にアジア地域においては、爆発的な人口増加とその後の急速な少子高齢化の進行を見通して、社会システムをも含む環境・エネルギー、食糧・水資源、パブリックヘルスといった諸問題を持続可能な形で解決していくことは急務の課題です。

ASEAN域内でのサマースクール本プログラムでは、上記の課題解決に貢献する実行型国際人を養成するため、学部学生を対象とした、フィールドワークを含むASEAN域内でのサマースクールの実施から、修士課程の学生を対象とした単位互換制度を利用した短期留学、相互での学位授与を含む多層的な協働教育プログラムを構築し、日本とASEANの双方向交流を実施します。これにより、参画する学生に地球規模課題の解決に向けた使命感の自覚、課題発見、理解から解決策の構築をめざす能力が修得できる機会を提供します。

フィールドステーション本学はアジアを重視し、人文・社会科学のみならず、自然科学を組み込んだフィールドワーク研究を実施してきた伝統を有しています。その一環として、ASEAN域内2か所の海外連絡事務所と8か所のフィールドステーションや、21世紀COEプログラム、グローバルCOEプログラム等の拠点形成を通じて、ASEAN地域との双方向の研究・人材育成交流を推進してきた実績があります。参画する学生の支援体制も含めて、本プログラムを実施するための十分な基盤があります。

本プログラムを通じて、一人でも多くの学生が、高い志を持って『「人間の安全保障」開発』の向上に貢献し、実行型国際人へ成長できるよう取り組んで参りたいと考えています。事業の推進にご理解とご協力をいただきますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

京都大学大学院農学研究科 縄田 栄治